胃カメラの苦痛を少なくするために ~経鼻内視鏡について~
胃カメラを楽に受けるために前回は『鎮静剤の使用』について書きました。今回は経鼻内視鏡について書きたいと思います。
②経鼻内視鏡について
胃カメラで最もつらいのはカメラが舌を押さえて入って行くときの嘔吐反射です。経鼻内視鏡は鼻から喉の奥を通って行きますので、カメラが舌に触ることはありません。なので反射は非常に起きにくいです。カメラも太さがわずか5㎜なので、食道に入るときも抵抗が非常に少ないです。喉の奥に来た時に、『ごっくんして下さい』と私が合図しますので、そのタイミングでごくっと飲み込んで頂ければ、ほぼスムーズに入ることができます。検査中は会話することも可能です。
それでは経鼻内視鏡のデメリットは何があるでしょうか?
- 経口内視鏡に比べ検査時間が長くなる。
経鼻内視鏡で使うカメラは細いので、胃に空気を入れたり、胃の中の水を吸ったりするスピードが経口用のカメラより時間がかかることがあります。また、鼻の中の細いところを通していますので、カメラを早く動かすと鼻の痛みが生じることがありますので、カメラはゆっくり動かすように心がけています。よって検査時間が少し長くなることがあります。
- 画質がやや劣る
技術の進歩は著しく、カメラの性能もどんどん良くなってきています。経口用、経鼻用両方とも画質は非常にきれいに見えるようになっていますが、それでも経口用のカメラのほうが若干画質がきれいです。
- カメラが入らない人がいる
5mmと非常に細い経鼻内視鏡ですが、鼻腔が狭くてカメラが鼻を通過できないケースがごくまれにあります。右と左の両方が狭い人はあまりいないので、右鼻がダメでも左鼻からできることがほとんどです。鼻炎が強い場合や花粉症の時期なので鼻の粘膜が高度にむくんでいる時にカメラが入らないことがあります。
胃カメラを受けたい。でも辛いのは嫌けど、車の運転が出来ないのは困るから鎮静剤は使えない、といった方には経鼻内視鏡が良いと思います。
当院の胃内視鏡検査について詳しくは、以下をご覧ください。
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